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【2023/9/3まで開催】幸せに暮らすヒントが見つかる展覧会「柚木沙弥郎と仲間たち」展の内覧会レポ!

仲間との出会いから生まれた作品たち

2023年8月23日(水)~9月3日(日)まで、大阪高島屋7階グランドホールで開催中の「柚木沙弥郎と仲間たち」展の内覧会に参加してきました。

100歳を迎えてもなお、現役の染色家として老若男女の心をとらえる作品を生み出す染色家・柚木沙弥郎。

柚木氏が作り出す作品は、どこか懐かしくて心が温かくなるようなものばかり。この展覧会では、そんな人間味あふれる柚木作品が生まれるために欠かせなかったであろう、師や仲間との出会いをたどりながら、第1章~第3章の展示構成により柚木や仲間たちの作品が紹介されています。

第1章は、柚木氏の作品作りに多大な影響を与えたであろう作家たちと、柚木氏の作品が混ざり合いながら展示されています。作品を通じて交わされる彼らの語り合いを聞いているような気持になりました。

柚木氏が染色に関心を持つきっかけになったという、染色家・芹沢銈介の型染カレンダー。この作品が、染色家・柚木沙弥郎を生み出したのかと思うと胸があつくなりました。

 

 

幸せに暮らすヒントが見つかる展覧会

第2章は、足を踏み入れた途端に一面の、布、布、布…!
メインビジュアルにも使われている帯をはじめ、カラフルでポップな布たちが会場を埋め尽くします。

「日常の暮らしのなかで用いられるための実用の布」への思いが制作の根底にあったという柚木氏。だからこそでしょうか、作品を眺めているだけで、実家に帰った時のようなほっと心が安らぐ気持ちになりました。

布の作品以外からも「日常の暮らし」を大切にしていることがうかがえる、柚木氏の食卓で実際に用いられているという品々の特別展示も必見。

「こんな食器でご飯を食べたら、もし落ち込んでいたとしても元気になれそう」と思えるような暖かい空間が広がり、私は思わず自分の日々の暮らしを振り返り、心の中で反省してしまいました。

 

第3章では、柚木の師である芹沢銈介が主宰し、1990年代に会が消滅するまで柚木が中核メンバーとして活動を続けたという染色家の団体「萌木会」のメンバーの作品が展示されています。

「萌木会」は、作家個人ではやりにくい仕事を協働して取り組むことを目的に活動をしていたそうで、日本民藝館学芸員の古屋真弓さんのお話によると「協同組合のようなもの」だったそうです。萌木会が制作し、広く支持されていたという「萌木浴衣」の「型染見本帳」が、とてもモダンで美しく、思わず見入ってしまいました。この浴衣は残念ながら現存するものが確認されていないとのことで「もし保管されている方がいらっしゃれば日本民藝館に連絡をしてほしい」と古屋学芸員。

生活の中に存在するものばかりが集められた、この展覧会は、「丁寧に暮らすことの大切さ」を教えてくれているようで、お気に入りのものばかりに囲まれた住空間はそれだけで癒し空間になるのかもしれないなと感じました。

幸せに暮らすヒントが見つかるかもしれないこの展覧会に、ぜひ足をお運びください。

Text by mariko HIYOSHI

 

infomation

展覧会名
柚木沙弥郎と仲間たち  
開催期間
2023年8月23日[水]~9月3日[日]  
入場時間
午前10時〜午後6時30分(午後7時閉場)※ 最終日9月3日(日)は午後3時30分まで(午後4時閉場)  
会場
大阪髙島屋7階グランドホール  
料金〈当日〉
[一般]一般1,200円 [大学・高校生]1,000円 中学生以下無料  
お問合せ
06-6631-1101(大阪髙島屋代表)  

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